【結論】自宅のPCデスク環境で、原音に忠実な音を長時間ストレスなく楽しみたいなら、SHURE SRH1840は導入して後悔のない最高峰の選択肢です。

DTMやオーディオの現場で長年定番として愛されてきたSONY MDR-CD900ST。私も長年愛用していましたが、長時間装着していると耳が圧迫されて疲れてしまうのが悩みでした。そこで「耳全体を包み込み、耳が痛くならない開放型」を求め、各メーカーのヘッドホンを比較検討した結果選んだのが、このSHURE SRH1840です。

購入から3年が経過した現在も、自作PCのメインヘッドホンとして常時接続し、音楽鑑賞から映画、DTM、テレビ番組の視聴まであらゆる用途で使い倒しています。本記事では、プロの現場でも使われる名機のリアルな使用感を、大人の客観的視点でお伝えします。


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SHURE SRH1840の基本情報と外観デザイン

まずはメーカーの背景と製品の基本スペック、そして洗練された外観デザインからチェックしていきましょう。

SHUREというメーカーの信頼性と開発背景

SHURE(シュア)は、90年以上の歴史を持つアメリカの老舗音響メーカーです。プロのライブステージやレコーディングスタジオで標準とされるマイク「SM58」や、高遮音性イヤホン「SEシリーズ」など、音にこだわる人間でその名を知らない者はいません。

「SRH1840」は、そんなSHUREが誇る開放型(オープンバック)モニターヘッドホンのフラッグシップモデルです。極めてフラットで癖のない音響特性を持ち、音楽制作者が意図した音をそのまま正確に再現するために作られています。

スペック一覧

項目詳細スペック
型式開放型(オープンバック)
ドライバー口径40 mm(ネオジム磁石)
感度 (1 kHz)96 dB/mW
再生周波数帯域10 Hz ~ 30 kHz
インピーダンス65 Ω
質量約368 g(ケーブル除く)
ケーブル形式両出し(着脱式・MMCXコネクター)
付属品交換用ベロア製イヤパッド(1組)、着脱式ストレートケーブル(2本)、6.3mm標準プラグアダプター、ジッパー付きハードケース

インピーダンス(電気抵抗の値)について: SRH1840のインピーダンスは65Ωと、一般のスマートフォン用イヤホン(16〜32Ω程度)に比べて高めです。PCのイヤホンジャックに直接挿しても音は鳴りますが、十分な音量や音の張りを得るためには、外部のUSB-DAC(デジタル音源を高品質なアナログ信号に変換する機器)やヘッドホンアンプとの併用をおすすめします。

外観・ビルドクオリティ

航空機グレードのアルミニウム合金を採用したヨーク(フレーム部分)は、手に取ると非常に軽量でありながら頑丈さを感じさせます。無駄を極限まで削ぎ落とした洗練されたデザインは、自作PCを中心としたデスクセットアップにも違和感なく溶け込みます。

耳を包み込むアラウンドイヤー(耳覆い型)のイヤパッドには、肌触りの良いベロア素材が使われています。合成皮革のようなベタつきがなく、長時間着用していても快適な肌触りが持続します。

付属するハードケースは非常に堅牢で、予備ケーブルや替えのイヤパッドが最初から一式同梱されている点も、長く愛用することを前提としたプロ仕様製品ならではの魅力です。


【基礎知識】そもそも「開放型」とは?密閉型ヘッドホンとの3つの違い

ヘッドホンには大きく分けて「開放型(オープンバック)」と「密閉型(クローズドバック)」の2つの構造が存在します。開放型であるSRH1840の魅力を知るために、まずはその違いを3つのポイントで整理しておきましょう。

【開放型(オープンバック)】
 ハウジング背面がメッシュ構造 ──> 音が外に抜け、空気感が広がる(音漏れあり)

【密閉型(クローズドバック)】
 ハウジング背面が密閉された構造 ──> 音を閉じ込め、遮音性と低音を高める(音漏れ少)

1. 構造の違い(音の逃げ道があるか・ないか)

  • 開放型: スピーカーの背面側(ハウジングの外側)がメッシュ状になっており、音や空気の逃げ道が確保されている構造です。
  • 密閉型: スピーカーの背面が樹脂や木材などで完全に覆われており、音を内部に閉じ込める構造です。

2. 音質・聞こえ方の違い(自然な音場と抜け感 vs 密閉された迫力と低音)

  • 開放型: 音が外に通り抜けるため、スピーカーで聴いているかのような自然な空間の広がり(音場:おんじょう)と、伸びやかな高音の「抜け感」が得られます。耳元に音がこもらないため、長時間のリスニングでも頭や耳が疲れにくいのが大きなメリットです。
  • 密閉型: 音が内部で反響するため、引き締まった力強い低音や密度の高いサウンドを楽しめます。ただし、音が耳元に密閉されるため、人によっては長時間の使用で「聴き疲れ」を感じやすくなります。

3. 使用環境の違い(静かな自室 vs 外出先・オフィス・リビング)

  • 開放型: 構造上、再生している音は確実に外へ漏れます。 同時に、周りの環境音も耳に入ってきます。そのため、「静かな自室や書斎」での使用に特化したヘッドホンと言えます。
  • 密閉型: 音漏れが少なく遮音性が高いため、電車内やオフィス、ご家族がいるリビングなど、場所を選ばず使用できます。

【実機レビュー】SHURE SRH1840を3年使って感じたメリット

実際に3年間、自作PC環境で毎日使い込んできて実感した主なメリットは以下の3点です。

1. SE425を彷彿とさせる高い解像度と、癖のないフラットな音質

SRH1840の最大の強みは、特定の帯域を過度に強調しない圧倒的なフラットさにあります。同社の定番イヤホン「SE425」をそのままヘッドホンへと昇華させたかのような音作りです。

高音・中音・低音のバランスが平均的で、音の粒立ちが非常に際立っています。音楽を聴いていると、ヴォーカルの細かな息遣いや、普段のヘッドホンでは埋もれてしまいがちな裏打ちの楽器音までクリアに聴き取ることが可能です。制作者が作り込んだ音を“忠実に”味わいたい方や、DTMでのバランス調整(ミックス作業)において、これ以上ない信頼感を提供してくれます。

2. MDR-CD900STから乗り換えて実感した「長時間の装着でも疲れない」快適さ

私が密閉型のMDR-CD900STから移行した最大の理由は「装着感」でした。CD900STは音のモニターには最高ですが、耳を圧迫する構造のため長時間使用しているとどうしても耳が痛くなっていました。

SRH1840は耳全体を優しく覆うアラウンドイヤー型であり、頭部を締め付ける側圧も絶妙にコントロールされています。ベロア製のイヤパッドと相まって、数時間に及ぶ映画鑑賞やPC作業を行っていても、耳や頭が痛くなることがほとんどありません。

3. FiiO Q1 Mark IIとの接続で広がるエンタメ体験

自宅の自作PCからFiiOのポータブルDAC/アンプ「Q1 Mark II」へUSB接続し、3.5mmジャック経由でSRH1840を駆動させています。

外部DAC(デジタル・ノイズを抑えて音をアナログ変換する機器)を通すことで、音の輪郭がさらに引き締まり、解像度の高さが一段と際立ちます。空間の広がり自体は開放型の中では中規模(自然で主張しすぎない広がり)ですが、その分音の定位(どこから音が聞こえるか)が極めて正確です。音楽制作だけでなく、映画やテレビ番組のセリフも滑らかに聞き取れ、日々のエンタメ体験の質が底上げされます。


ここは惜しい!SHURE SRH1840のデメリットと注意点

満足度は非常に高い製品ですが、購入前に必ず知っておくべき注意点(デメリット)もあります。あえて隠さずお伝えします。

1. 音漏れと周囲の音の遮断性(開放型の構造上の制限)

開放型(ハウジングの背面がメッシュ状で密閉されていない構造)の宿命として、再生している音は確実に周囲へ漏れます。 同時に、周囲の環境音もそのまま耳に入ってきます。

家族が集まるリビングや、静寂が求められるオフィス、外出先での使用には全く向きません。私のように「リビングとは別の静かな自室・書斎」でPCに常時接続して使用する環境が整っていることが、本機導入の必須要件となります。

2. 付属ケーブルの取り回し(やや硬めの質感)

付属の両出しストレートケーブルは耐久性に優れている反面、やや硬めで取り回しに癖があります。

デスク上でキーボード操作や作業をする際、ケーブルの硬さが気になる場面があるかもしれません。ただし、定位置(PC前)での固定運用であれば実用上の問題はありません。また、コネクター部分は着脱式(MMCX端子)となっているため、将来的にサードパーティ製の柔軟なケーブルへ「リケーブル(ケーブル交換)」してカスタマイズする楽しみも残されています。

3. 夏場のベロア製イヤパッドの蒸れ

肌触りの良いベロアパッドですが、夏場は肌に触れる部分に若干の熱を感じることがあります。エアコンの効いた室内であれば問題ありませんが、室温が高い環境では少し蒸れを感じる可能性があります。


SONY MDR-CD900STなど定番機との比較

モニターヘッドホンの代表格であるSONY MDR-CD900STとの違いを整理しました。

比較項目SONY MDR-CD900STSHURE SRH1840
構造密閉型(オンイヤー)開放型(アラウンドイヤー)
音の傾向高音〜中音が前に出る、耳元でくっきり帯域全体が非常にフラット、音が自然
解像度・粒立ち高い(ノイズやミスを見つけやすい)極めて高い(音の全体像と細部を両立)
長時間の装着感耳が圧迫されやすく疲れやすい側圧が優しく、長時間の作業でも快適
音漏れほとんどしない確実に発生する
主な用途短時間のレコーディング・ヴォーカル録音長時間のミックス作業、リスニング、映画鑑賞

CD900STは「音の傷(ノイズ)を見つけ出すための短時間用ツール」として非常に優秀ですが、「長時間リラックスして原音を鑑賞・編集する」目的であれば、SRH1840が圧倒的に優位です。


結論:SHURE SRH1840はどんな人におすすめか?

ここまでの検証をもとに、SRH1840を買うべき人・見送るべき人を明確にまとめます。

おすすめする人(買うべき人)

  • アーティストの作った音をそのまま忠実に聴きたい人
    偏りのないフラットな音響特性のため、イコライザー等に頼らず原音そのままの高解像度サウンドを味わいたい方に最適です。
  • DTM等で偏りのないミックス作業を行いたい人
    各帯域の音の粒立ちが良く、音の引き算・足し算が極めて正確に行えます。
  • 長時間PCに向かって作業やエンタメ鑑賞をする人
    耳全体を覆うベロアパッドと優しい側圧により、耳や頭の痛みに悩まされている方の救世主になります。
  • 自室や書斎など、静かなリスニング環境が用意できる人

おすすめしない人(見送るべき人)

  • リビングやオフィス、外出先など音漏れが困る環境で使いたい人
    構造上、確実に音漏れします。静寂が保てない環境では密閉型ヘッドホンを選択すべきです。
  • 最初から低音が強調されたド迫力サウンドを求めている人
    原音忠実なフラット傾向であるため、ドンシャリ(低音と高音が強調された音)を期待すると「低音が物足りない」と感じる可能性があります。

まとめ

SHURE SRH1840は、購入から3年が経過した今でも私のデスク環境において代えの利かない存在であり続けています。

特定の音を過剰に飾らず、アーティストが込めた意図をそのまま届けてくれる誠実な音質。そして、長時間のPC作業でも存在を忘れるほどの快適な装着感。「静かな使用環境」さえ整っていれば、日々の音楽鑑賞やDTM、映画体験の質を何段階も引き上げてくれる一生モノのパートナーになります。

自分のデスクで過ごす時間をより上質で豊かなものにしたいとお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。


開放型ヘッドホン
SHURE|SRH1840

SHURE SRH1840は、プロの現場でも長年使われているロングセラーモデルです。

なお、SRH1840は付属オプションも非常に充実しています。パッケージには本体のほか、保管に便利な「専用ハードケース」、断線時に安心な「予備の着脱式ストレートケーブル」、さらに「交換用の予備ベロアイヤパッド」が標準で同梱されています。

また、仕様違いの派生モデル(密閉型モデルのSRH1540など)も展開されていますので、ご自身の使用環境(音漏れが許容できるか否か)に合わせて最適なモデルをお選びください。

ご自身のデスク環境に合わせて、現在の価格や在庫状況を以下のリンクよりご確認ください。