音楽を聴くとき、低音が強調された派手な音よりも「アーティストがスタジオで意図したそのままの音」を味わいたいと感じたことはないでしょうか。

今回レビューするのは、プロのライブステージや音響現場でも長年絶大な信頼を得ているSHURE(シュア)のモニターイヤホン「SE425」です。

結論から言うと、SHURE SE425は脚色のない「正確で素直な原音」を求める方に間違いなくおすすめできる名機です。

ネット上のレビューでは「低音が物足りない」「ケーブルが硬くて使いづらい」といった声も見られますが、実際に使い込んでみると、それは製品の特性と「使いこなし方」によるものであることが分かります。

本記事では、自作PC環境やDTM(音楽制作)での音響確認、そして移動中のリスニング体験を通して見えたSE425の真価と、弱点を克服するためのカスタマイズ(リケーブル・イヤーピース交換)について客観的にレビューします。


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SHURE SE425の基本情報とスペック

SHUREは1925年にアメリカで創業された、世界最高峰の音響機器メーカーです。同社の「SEシリーズ」は高い遮音性と解像度の高さでオーディオファンから圧倒的な支持を得ています。

SE425は、高音域と低音域を担当する2つのBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを搭載した中級モデルです。

SE425の主なスペック

項目スペック
型式カナル型(耳栓型)
ドライバー構成バランスド・アーマチュア(BA)×2(高音域×1、低音域×1)
再生周波数帯域20 Hz ~ 19 kHz
インピーダンス22 Ω
感度(1kHz)109 dB SPL/mW
ケーブル規格MMCX端子(着脱式 / 付属ケーブル長:162 cm)
ノイズ減衰量最大37 dB(Sound Isolating技術)

専門用語解説:BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーとは?
小型で高精度な音の再現が得意なスピーカー機構のこと。一般的なダイナミック型(迫力ある低音が得意)に比べ、音の粒立ちや解像度、中高音域のクリアな表現に優れているのが特徴です。

ハイレゾ非対応についての私見:「スペック上の規格」より「出てくる音の質」

昨今のオーディオ製品では「ハイレゾ対応(40kHz以上の再生周波数帯域)」を謳う製品が増えていますが、SE425の再生周波数帯域は20Hz〜19kHzであり、ハイレゾ規格には準拠していません。

しかし、私は「ハイレゾ対応=良い音」とは考えていません。どれほど再生帯域の数字が大きくとも、実際に耳へ届く音の分離感や解像度、音像の正しさ(原音再現性)が伴っていなければ意味がないからです。

SE425はスペック上の数字を追うのではなく、可聴域内における「音の質感と正確さ」を極限まで高めた製品であり、スペック表の数値以上に豊かな音の情報を届けてくれます。

外観とビルドクオリティ

透明なボディからは、内部に緻密に配置された2つのBAドライバーやクロスオーバー回路が視認できます。精密機械としての機能美を感じさせるデザインは、自作PCやガジェットの内部構造に惹かれる人にはたまらない所有満足感を与えてくれます。


【実機レビュー】SHURE SE425を実際に使って感じた4つのメリット

SHURE SE425にBTR17、onso05、COMPLYを装備

1. アーティストが作った音をそのまま味わえる「原音に忠実な素直さ」

SE425最大の魅力は、特定の音域を意図的に強調しない「圧倒的なフラットさ」です。

低音が控えめと言われがちな本機ですが、実際に聴いてみると低音が不足しているわけではありません。過剰な強調がされていないだけで、音源に含まれている素の低音は過不足なく正確に鳴っています。

耳に刺さる嫌な高音や重苦しい低音の押し出しがないため、長時間のリスニングでも耳が痛くなったり疲れたりすることが一切ありません。

また、音線が非常に素直なため、イコライザー(EQ)で音を調整した際にも、狙った通りの変化をダイレクトに反映してくれます。自分の好みに合わせて音調を整えやすいのも大きな強みです。

2. DTM・音響確認で真価を発揮する「音の解像度の高さ」

私は趣味のDTM(音楽制作)において、ミックスの仕上がりを確認するリファレンス(比較基準)イヤホンとしてSE425を活用しています。

解像度が非常に高く、一つひとつの音の粒立ち(分離感)がクリアに見えるため、イコライザーで削った帯域や、コンプレッサーの潰し具合・かかり方がはっきりと聴き分けられます。

スピーカーや他のヘッドホン・イヤホンと聴き比べる際にも、「元の音がどう鳴っているか」を正しく把握するための絶対的な基準点になってくれます。

3. アンプを通すことで化けるポテンシャルの高さ

SE425はノートPCやスマホに直挿ししても十分に鳴りますが、オーディオインターフェースやFiiOのBTR17などのポータブルアンプ(DAC)を経由することで、そのポテンシャルをさらに発揮します。

アンプを通すと、音の輪郭が一気にクリアになり、解像感を保ったまま音の力強さ・奥行きが増すのを実感できます。手持ちのオーディオ環境の質を素直に引き出してくれる素性の良さがあります。

4. 元祖「SHURE掛け」による快適な装着感とコンプライ変更による遮音性

イヤホン本体から出たケーブルを耳の上から後ろへと引っかける装着方法を「SHURE掛け(シュアがけ)」と呼びます。今や多くのモニターイヤホンで採用されているこの装着法ですが、実はステージ上のミュージシャンが激しいパフォーマンスでもイヤホンを落とさないよう、SHUREが生み出した元祖のスタイルです。

耳全体でイヤホンを支える構造になるため、収まりが非常に良く、長時間の使用でも耳の特定部位に負担がかかりません。

私はさらに遮音性を高めるため、イヤーピースをサードパーティ製の「COMPLY(コンプライ)製フォームイヤーチップ」に変更して使用しています。

この組み合わせにより、通勤電車の騒音下でも周囲のノイズを大幅に低減し、音量を上げすぎることなくクリアに音楽へ没頭できるようになりました。長時間の移動でも耳が痛くなることはありません。


ここは惜しい!SHURE SE425のデメリットと対策

実用性の高いSE425ですが、購入前に知っておくべき注意点も存在します。

1. 付属ケーブルの硬さと「タッチノイズ」

付属されている標準ケーブルは堅牢で耐久性が高い反面、取り回しが硬く、衣服と擦れた際に「ゴソゴソ」と音が響くタッチノイズが大きいという欠点があります。

  • 対策:MMCX汎用規格を活かした「リケーブル(onso 05シリーズ)」の導入

SE425のイヤホン本体とケーブルの接続部には、業界で広く普及している「MMCXコネクタ」という着脱式規格が採用されています。MMCXは数あるリケーブル規格の中でも最も一般的であり、サードパーティ製ケーブルの選択肢が非常に豊富に用意されている点が大きなメリットです。

私は音質への影響を最小限に抑えつつ取り回しを向上させるため、「onso 05シリーズ(MMCXコネクタ)」に交換しました。

ケーブル全体がとても柔らかくなり、移動中の取り回しやすさが格段に向上。気になっていたタッチノイズも劇的に軽減されました。SE425の性能を日常使いでフルに発揮させるなら、リケーブルは検討の価値のあるカスタマイズだと感じています。

2. ビジネス・Web会議用途には割り切りが必要

標準ケーブルにはマイクが搭載されていません。

フリーアドレスのオフィスやテレワークでのWeb会議で使う場合、別途マイクを用意するか、マイク付きケーブルへ変更する必要があります。

私の場合は、Web会議用にはマイク一体型の有線イヤホンを割り切って使用し、SE425は「純粋に音を楽しむ・音を確認する」ための専用ギアとして使い分けています。


SE215や一般的なノイズキャンセリングイヤホンとの違い

SE215(ダイナミック型1基)との比較

  • SE215: ダイナミック型ドライバーらしく、低音の迫力や全体のパワー感を重視した音作り。ロックやポップスをノリ良く聴きたい人向け。
  • SE425: 2BAによる高い解像度と分離感が強み。ボーカルの息遣いや楽器の配置感、原音の正確さを重視したい人向け。

完全ワイヤレス・ANC(アクティブノイズキャンセリング)機との比較

AirPodsなどに代表されるANC機能は、電子処理によって耳に圧迫感を与えることがあります。

一方、SE425は高い遮音性のイヤーピースと筐体構造によるパッシブな遮音(物理的な遮音)のため、ノイキャン特有の圧迫感がなく、非常に自然な静寂の中で音楽を楽しむことができます。


結論:SHURE SE425はどんな人におすすめか?

おすすめする人(買うべき人)

  • アーティストが作ったそのままの「素の音」を楽しみたい人
  • DTMや音響確認で、EQやコンプの効きを正確にモニタリングしたい人
  • 耳疲れしないフラットな音で、長時間のリスニングを楽しみたい人
  • 豊富なMMCXリケーブルやイヤーピース変更で、自分好みにガジェットを最適化したい人

おすすめしない人(見送るべき人)

  • イコライザーなしで、最初から体に響くような重低音を求めている人
  • 1つのイヤホンでWeb会議のマイク用途まで兼用したい人

まとめ:自分好みに育て上げる、大人のためのリファレンスイヤホン

自分好みに組み合わせを変更可能
イヤーピースのcoreタイプは100、ケーブルはMMCX接続

SHURE SE425は、スペック上の数値に頼らず、飾りのない正確な音を届けてくれる誠実なモニターイヤホンです。

箱出しの標準状態ではケーブルの硬さなど気になるところもありますが、豊富な選択肢があるMMCX規格を活かしたonso 05へのリケーブルCOMPLY製イヤーピースへの変更といったカスタマイズを施すことで、日常の移動時でも最高の音質を快適に楽しめる相棒へと進化します。

「音楽の本当の姿を聴いてみたい」「長く愛用できる信頼できる1本がほしい」という方は、ぜひ手にとってみてください。


高遮音性イヤホン
SHURE|SE425

2基のバランスド・アーマチュア・ドライバーを搭載し、正確で忠実な原音再生を実現した定番カナル型モニターイヤホン。高い遮音性と内部基板が見える洗練されたクリアボディが特徴です。

イヤホンリケーブル用MMCXケーブル
onso|05シリーズ

取り回しのしやすい柔らかめのケーブルはタッチノイズの軽減にも貢献してくれます。対応機種も多いMMCX接続を採用しており、3.5mmの他、4.4mmバランス接続用ケーブルもあります。
ご購入の際には詳細をご確認ください。

高遮音性イヤーピース
COMPLY|イヤーピース


イヤホンに合わせてcoreサイズ、耳の大きさに合わせてtipサイズ、チップの形状11種類のなかからそれぞれ選択ください。また、3ペアセットを選択すれば1ペアよりかなりお買い得となります。
リンク先はSE425に合わせてcoreサイズ100、tipサイズM、形状はTRZシリーズ(新アジアンフィット)となっています。非常に種類が多く間違えやすいので、ご購入の際は十分にご注意ください。

高性能Bluetoothオーディオレシーバー・アンプ
FiiO|BTR17

FiiO BTR17は、高級感のあるシックな「Black(ブラック)」と、スタイリッシュな「Blue(ブルー)」の2色展開です。
なお、専用の保護ケースが最初から同梱されているため、追加でケースを買い足す必要がなく、届いたその日から安心して持ち歩けます。お好みのカラーを選択のうえ、以下のリンクから最新の価格や在庫状況をご確認ください。