アクティブノイズキャンセリング(SONYではデジタルノイズキャンセリング)は周りの騒音を軽減してくれる便利な機能です。

特に電車の中など、継続的に一定した騒音が発生する場所ではかなりの効果が期待できます。
しかし、メリットだけではなくデメリットも存在します。

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アクティブノイズキャンセリングのデメリット

騒音の逆位相の音を出すことで騒音を打ち消すアクティブノイズキャンセリングには以下のデメリットが存在します。
これらのデメリットが許容できない場合は、パッシブノイズキャンセリングという考え方も選択肢の一つになるかと思います。

専用のイヤホンしか使えない

アクティブノイズキャンセリングではイヤホンについているマイクで周りの騒音を拾うため、専用のイヤホンとなります。
専用イヤホンになるため、自分の持っているイヤホンは使用できません。
イヤホンの付け替えが可能な機種もありますが、その際はノイズキャンセリング機能は使用できません。

本体付きのものが多く、その分重たい

アクティブノイズキャンセリングは逆位相の音を出力するためにバッテリーが必要となります。
イヤホンジャックとイヤホンの間に本体があり、本体にバッテリーを内蔵させている機種が多いです。
そのため、総重量は通常のイヤホンよりも重たくなります。
ただし、この本体にはリモコン機能をつけている機種もあり、使い方によってはメリットになる場合もあります。

バッテリーが切れるとノイズキャンセリング効果も失われる

アクティブノイズキャンセリングにはバッテリーが必要なため、バッテリー切れの場合は効果が失われます。
バッテリー切れでも通常のイヤホンとして使用できる機種もありますが、全く聴けなくなってしまう機種もありますので注意が必要です。

イヤホンによっては「サー」というホワイトノイズが入ることがある

アクティブノイズキャンセリングを使用すると「サー」というホワイトノイズが入る機種があります。
ものによってホワイトノイズの大きさに違いはありますが、許容できる範囲のノイズかを確認することをおすすめします。

急に発生する音にはノイズキャンセルが対応しきれない

アクティブノイズキャンセリングは万能ではありません。
マイクが周辺の騒音を広い、その逆位相の音を出力することで騒音を消すという機能のため、わずかですがタイムラグが発生します。
常に騒音の出続けている電車の車内の騒音などには大きな効果が期待できるのですが、突然発生した音には対応しきれないことがあります。

パッシブノイズキャンセリングとは

パッシブノイズキャンセリングとは、イヤホン自体の遮音性を高めることで、物理的に周りの騒音を耳に届かなくする技術です。
イヤホンの形状を耳にフィットしやすくズレにくい形にしたり、イヤーピースと耳の間に隙間を作らせないような形状をしています。

パッシブノイズキャンセリングのメリット・デメリット

バッテリーが不要なため、軽量

バッテリーを必要としないため、本体がなく、その分軽量です。
また、バッテリー切れの心配もなく、常に一定の遮音性を期待できます。

どのような音に対しても効果あり

アクティブノイズキャンセリングが苦手としている、急に発生した騒音に対しても効果があります。
常に騒音を遮断してくれる耳栓のようなイヤホンです。

周りの音が聞こえにくい

これはメリットでもありデメリットでもあります。
常に周りの騒音をカットしてしまうため、駅のホームでアナウンスを聞きたい場合などは、イヤホンを外さないと聞き取りにくいです。
遮音性の高いイヤホンは耳に密着しているため、付け外しが手間に感じる場合もあります。

パッシブノイズキャンセリングイヤホンの選び方

より騒音の低減効果が高いイヤホンは以下の特徴を持っています。

カナル型イヤホン

イヤホンの耳に入れる部分の形式は、大きく分けてカナル型とインナーイヤー型の2種類があります。

インナーイヤー型は耳に引っ掛けるような形をしています。
耳に負担をかけにくい形ではありますが、密着度は低く、周りの騒音を遮断することはできないため、遮音性を求めるのであれば、インナーイヤー型はおすすめできません。
一方、カナル型はイヤホンの先端を耳の奥まで差し込む形をしています。
耳の穴に密着するため、イヤホン自信が耳栓の役割を果たし、周りの騒音を遮断することができます。

遮音性を求めるのであれば、イヤホンはカナル型を選択しましょう。

遮音性が高いイヤホンを選択

イヤホンのメーカーによっては遮音性の高さを売りにしているものもあります。
最も有名なメーカーはSHURE(シュア)です。
SHUREのイヤホンは耳への密着度が高く、ずれにくく、非常に遮音性に優れたイヤホンです。
比較的安価なものから、高級なものまで幅広く品揃えがありますので、気に入った音を出してくれるものがあれば、おすすめのイヤホンとなります。

カスタムIEMを選択

カスタムIEMはカスタム・イン・イヤー・モニターの略称です。イヤモニとも呼ばれます。

これはオーダーメイドのイヤホンです。
自分の耳型を採取して、耳にフィットする自分専用のイヤホンを作ることが可能です。
耳にフィットするため、遮音性もかなり期待できます。

ネックとしては、値段がかなり高くなってしまうという点です。
予算が許す場合に限られてしまいますが、検討の価値は十分にあります。

遮音性の高いイヤーピースを使用

最も簡単に遮音性を高めるのであれば、イヤーピースを遮音性の高いものに交換するという方法があります。

遮音性の高いイヤーピースといえば、コンプライが有名です。
コンプライのイヤーピースは大きさ、長さ、形など多くの種類が出ていますので、自分の使っているイヤホンにあったイヤーピースを探す必要があります。

一般のイヤーピースと比べると多少高額となりますが、かなりの効果が期待できます。
アクティブノイズキャンセリングのイヤホンにコンプライのイヤーピースを装着するという、最高の騒音対策を目指すことも可能です。

まとめ

アクティブもパッシブも万能ではありません。
それぞれのメリット、デメリットを知った上で、自分のライフスタイルに合ったイヤホンを選ぶことが重要です。

あとがき

私は今回紹介したものの中で、遮音性の高いイヤホン、SHUREのSE425を購入しました。
遮音性に関しては想像以上の効果がありました。
地下鉄に乗っている状態でも音量を上げることなく聴くことができています。
さすがに地下鉄の音を全て無くすことはできませんが、ほとんど気にならないレベルまで騒音を無くすことができています。