音楽を聴くのであれば音質にもこだわりたいところです。特に好きなアーティストの作品であればなおさらです。

ハイレゾ音源を聴く意義は、作成者が作り出した音を可能な限りそのまま聴くということに他なりません。カットされてしまった周波数帯や、音が混ざって埋もれてしまい聴こえにくくなってしまった楽器の音、微妙な音量の変化など、CDの音質では伝えきれないものがたくさんあります。

今回はiPhoneでハイレゾ音源を再生するための基礎知識や、基本的な方法を紹介します。iPhone単体ではハイレゾに対応していないため、ハイレゾ音源を再生させるためには多少の準備が必要です。
ハイレゾ音源とは何か?基礎知識についてはこちら

iPhoneでハイレゾ音源を再生するためには以下の準備が必要となります。

  • ハイレゾ音源再生対応アプリのインストール
  • ハイレゾ音源の購入・ダウンロード
  • ハイレゾ音源をiPhoneのアプリに転送
  • ハイレゾ対応DAC搭載ポータブルアンプ(ポタアン)の接続
  • イヤホン・ヘッドホンの接続

一度にそろえられない場合は、おすすめの購入タイミングの紹介もありますので、参考にしてみてください。

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ハイレゾ音源再生対応アプリのインストール

現時点ではiPhone標準のミュージックアプリではハイレゾ音源の再生に対応していないため、別途アプリを入手する必要があります。

無料でインストールできる物に関しては最初にやってしまいましょう。有料のものに関してはどのアプリを購入するかを決めたタイミング構いません。ハイレゾ音源を持っていない状態でも、これまで標準のミュージックアプリで聴いていた音源は聴くことができますし、アップサンプリング機能が付いているものであれば、音質アップも期待できます。また、操作に慣れるという点においても早めの導入がおすすめです。

ハイレゾ対応有料アプリ

有料、またはアプリ内課金をすることでハイレゾ音源を再生できるアプリです。お金はかかりますが、音質や機能に定評のあるものが揃っています。
iPhoneハイレゾ音源再生アプリ(有料)の詳細はこちら

NePLAYER(radius)

有料アプリ(1,800円)のほかに、無料のNePLAYER Liteがあり、Liteではアプリ内課金でハイレゾ対応が可能です。
radiusの一部のポタアンやイヤホンなどを接続すると、Liteのハイレゾ機能が無料で使用できるようになるため、アプリ内課金をするかはポタアンやイヤホンをradius製品にするかを検討した後に決めましょう。

HF PLAYER(ONKYO)

無料でインストール可能なアプリで、アプリ内課金(1,200円)でハイレゾ対応が可能です。

iAudioGate(KORG)

買い切り型の有料アプリ(1,800円)です。
e-onkyo music、mora、OTOTOYの3ヶ所からハイレゾ音源の直接ダウンロードが可能です。

KaiserTone(CyberFort)

買い切り型の有料アプリ(1,800円)です。
細かいところまで設定できる反面、オーディオ初心者には難しい部分もあるかもしれません。音にこだわっていろいろ設定をいじってみたい方におすすめです。

ハイレゾ対応無料アプリ

Hi-Res Music Player(ELECOM)

無料ですが必要最低限の機能はしっかり搭載されています。気軽に試すことのできるアプリです。

mora player(mora)

ハイレゾ音源ダウンロードサイトのmoraが提供しているアプリです。FLACのほかDSDにも対応しています。moraで購入した音源を直接ダウンロードすることも可能です。

ハイレゾ音源の購入・ダウンロード

ハイレゾ音源は主にインターネットの配信サイトで購入、ダウンロードで入手する音楽データです。CDとは別物となるため、すでにCDを持っている場合でもハイレゾ音源を別途購入する必要があります。

ハイレゾ音源は情報量が多いため1曲あたりの容量が大きくなります。iPhone自体の容量に余裕がない場合は、多くの曲を入れることができないため、必要に応じて曲の入れ替えが必要となります。ハイレゾを再生することを考えた場合、iPhoneはなるべく容量の大きいものを選ぶことをおすすめします。

ハイレゾ音源の購入のタイミングは、新譜であれば他の環境が整っていなくても購入したほうがお得です。後でハイレゾ音源を購入しなおすのは金銭的な負担が大きくなってしまいます。全てが揃うまではCD音質にダウンコンバートされてしまいますが再生自体は可能です。
一方、すでにCDを持っているものの購入し直しを検討している場合は、全ての環境が整った後でよいでしょう。

ハイレゾ音源ダウンロードサイト

ハイレゾ音源を購入できるダウンロードサイトは複数存在します。その中から欲しい曲を取り扱っているサイトを探しましょう。ダウンロードサイトによってはハイレゾ以外のCD音質のファイルを扱っている場合もあるため、ハイレゾかの確認は必須です。
ハイレゾ音源ダウンロードサイトの詳細はこちら

主なハイレゾ配信サイト

e-onkyo music
mora
レコチョク
OTOTOY
music.jp
オリコンミュージックストア
mysound
groovers

ハイレゾ音源をiPhoneのアプリに転送

購入したハイレゾ音源はパソコンでダウンロードし、iTunesを使ってiPhoneのアプリに転送する方法が一般的です。
アプリの機能で購入したハイレゾ音源を直接ダウンロードした場合はiTunesは不要となります。パソコンを使わずにiPhoneでハイレゾを楽しみたい場合は、直接ダウンロードに対応したアプリが必要となります。

ハイレゾ対応DAC搭載ポータブルアンプ(ポタアン)の接続

iPhoneのDACではハイレゾ音源の音をイヤホンに出力することはできません。
DACとは、”音源のデジタル信号”を”耳で聴こえるアナログ信号”に変換する機能です。
そこで必要となるのがポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)です。

ポタアンはイヤホンと一緒に検討がおすすめです。イヤホンをDAC付きのライトニングイヤホンにする場合はポタアンは不要となります。またイヤホンジャックでイヤホンを接続するか、バランス接続にするかで購入するイヤホンも変わってきます。

iPhoneとポタアンの接続

ポタアンへはiPhoneのLightning端子を使って接続します。iPhoneからデジタル信号がポタアンへ送られ、ポタアンのDACでアナログ信号に変換、ポタアンのイヤホンジャックから音を出力します。

ポタアンは多くのメーカーが販売しています。ポタアンによる音の違いや対応しているサンプリングレート、量子化ビット数、本体の大きさ、重さ、充電式かバスパワーかなど様々です。
ポタアンによって音の印象も変わりますので、実機での視聴をおすすめします。その際は音だけではなく重さや大きさも体感してみてください。

iPhoneでハイレゾ音源を聴くためにポタアンを接続することを考えると、以下のいずれかの接続方法になります。
ポタアンへの接続方法の詳細はこちら

Lightningバスパワー接続

Lightning端子から電源を供給してもらって動作するポタアンです。小型で本体にプレーヤーアプリを操作するためのボタンが付いているものも多く、手軽に使えるのが特徴です。
その反面、中型以上のポタアンと比べると性能は劣る部分もあり、また、iPhone本体の電源を使用するため、iPhoneの電源の減りが速くなるというデメリットもあります。

価格は比較的安いものが多く、金銭的な面でも手に入れやすいものがそろっています。
バスパワー接続のポタアンの紹介はこちら

Lightning接続

Lightning端子で接続しますが、iPhoneからの電源供給がなくても動作するポタアンです。大きさは中型から大型まであります。ポータブルとはいえかなり大きなものもありますので、持ち歩くことを考えている場合は実機を手に取り、大きさや重さを確認することをおすすめします。

性能はバスパワー型と比べ高性能でポタアン自体にバッテリーを内蔵しているため、iPhoneの電源を使用せずにすみます。

価格は低価格からありますが、高性能のものはかなり高価となります。慎重に選びましょう。

イヤホン・ヘッドホンの接続

イヤホン・ヘッドホンは実際に音を出す部分となるため、聴こえ方に最も影響を与えます。ハイレゾ音源を低品質なイヤホンで聴くよりも、CD音質を高品質なイヤホンで聴いたほうが音質は上となる場合がほとんどです。

イヤホン・ヘッドホンにはハイレゾ対応マークが付いているものもありますが、マークがないものでもハイレゾの高音質を体験できるものは数多くあります。
音質以外にも、装着感などは実際に使ってみないとわかりません。イヤホン選びで失敗しないためにも、実機での視聴をおすすめします。

イヤホン・ヘッドホンの接続方法

iPhoneのBluetoothコーデックはハイレゾ音源に対応していないため、ハイレゾの音質を保つための接続方法は有線となります。

イヤホンジャック接続

最も一般的な接続方法です。ポタアンの3.5mmイヤホンジャックにイヤホンを接続します。

バランス接続

ポタアンがバランス接続に対応している場合はぜひ試してみたい接続方法です。バランス接続はイヤホンジャックとは異なる端子となり、かつ複数の規格が存在します。そのため、ポタアンに接続可能な端子を選ぶ必要があります。
バランス接続用のイヤホンもありますが、リケーブル対応のイヤホンの場合はケーブルをバランス接続用のものに変更するという方法もあります。

Lightning接続(DAC内蔵イヤホン)

イヤホンにDACが内蔵されているイヤホンの場合は、Lightning端子に接続します。ハイレゾ対応のDACが内蔵されているものであればポタアンは不要です。
対応している製品は少ないですが、極力シンプルな接続にしたい場合はLightning接続も検討してみましょう。

あとがき

iPhoneでハイレゾ音源を聴くためには、必要なものが意外と多いと思われたかもしれません。
一度に全てを揃える必要はありませんので、少しずつ高音質化を進めていくことをおすすめします。